【糸結び】基本事項のまとめ&マニアックな小ネタ2つ

糸結び

【BUYSS labo 01 / Episode 032】

所長
所長

また前回の更新から時間が空いてしまったので

とりあえず今回は『糸結びのまとめ』的な内容とチョットした小ネタをお話しましょう。

糸結びの要素

糸結びは
何を(対象物)
何で(糸の種類)
どのように(目と結び)

を意図と根拠を持って行う必要があります。

具体的には

順目逆目
男結びにするのか女結びにするのか
ブレイドモノフィラメント
を選択する事になります

たぴぞう
たぴぞう

所長の更新が久しぶりすぎて『忘れた!』って人は

過去の動画で復習して下さいネ〜

【糸結び・言葉の定義】順目と逆目|所長の定義とは?糸結びを極めるのに重要なポイントはまずココ!
【糸結び・言葉の定義】男結びと女結び|それぞれの特徴を知って使い分けられたら最強!
【糸結び】糸の種類と特徴|編糸(ブレイド)とモノフィラメント

・・・とはいえ

実際にはどうか?というと

血管などを止血や結紮目的で『縛る』 場合
基本的には

順目で男結び

が標準で、さらに緩まないようにするには 編糸(ブレイド)を使うのが普通です。

では
敢えて モノフィラメント で糸結び(結紮)をするシチュエーションは
どのような場合でしょうか?

小ネタ① 敢えてモノフィラメントを選ぶ シチュエーション

他科の先生がモノフィラメントで結紮しているシーンは稀ですが
僕は結構な頻度で行います
・・・まぁ他科の先生はやらないことなので、小ネタとして知っておいてください。

対象物の弾性が乏しく
緩んでしまう可能性が低い場合に限定されますが

皮弁挙上を行っている際に穿通枝の分枝を結紮したいときや
咽頭粘膜への腸管吻合の際は
糸の『引っかかり』による
意図しない場所での締め込みや粘膜の損傷を避ける
ために
敢えてモノフィラメントを用いることがあります。

例えば・・・

こんな感じで
モスキートでクランプしている細い枝を
モスキートぎりぎりの位置で結紮するときには
糸結びの操作中に不用意に引っ張ってしまわないよう
ある程度余裕のある位置で
緩い『輪』を作ってから
移動させつつ締め込んでいきます

この移動の際に

編糸(ブレイド)の場合
糸と対象物との間に抵抗があり
『引っかかる』ことがあります。

この操作中に引っかかってしまうと
・引っかかった位置で輪がしまってしまう
・引っかかった位置で引っ張られてしまう(ちぎれる)
のいずれかが起こる可能性があります。

さほど弾性が強くない血管処理などで
長さを確保したい
結紮の位置にこだわりたい
引きちぎりたくない

といった場合
あえてモノフィラメントを使う
ということを選択します。

所長
所長

もちろん

この操作を安全にできる前提として

ゼロベクトルを維持しつつ『示指滑車で糸を送る』ことが必要ですからね〜

糸結びの『糸の送り方』|難易度の高い結紮にも対応するポイント

小ネタ② 外科結紮を血管結紮に使ってはいけない理由

索状物の結紮をするときに

『緩んじゃイヤだ!』

という理由で
外科結紮 をする人がいますが・・・

そもそも外科結紮は『締まりが悪い』方法なので
止血を前提とした索状物の結紮には向いていません。

糸結びの目的は
輪を最小にする ことですが
巻き付けを2倍にする事で糸の抵抗を増しているため
直線的な結び目が邪魔をして輪が真円にならないので
索状物に対しては『締め込み』ができません。

もし
太い血管を外科結紮で縛るのならば
それはあくまでも本結紮への準備(さしあたっての減圧)であって
更なる結紮や刺通結紮を追加して二重結紮とする必要があります。

解説動画

あとは ハンドリング 練習!

今回は今までの理論的な復習まとめのような動画ですが
↑↑↑の動画で知識整理のきっかけにしてみてください。

あとは実践的なハンドリング練習をしていくだけですので

次回からはハンドリングの基礎的な部分を説明していきます。

所長
所長

あくまで解説は『1例』です

コレが絶対的な正解!って訳ではありません。

でも・・・

所長
所長

自分なりに自分の所作の根拠を説明出来るようになりましょう!

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