手術は○○の暴走をいかにコントロールするかがカギである

器械の持ち方

【BUYSS labo 01/ episode 010】

所長
所長

人生においても手術においても

ブレーキをかけて暴走をコントロールする事が大切!

所長
所長

さて

指導者として、若手がやっている手術で

見ていて安心感のある手術ってのは・・・何を感じられると安心出来ると思う?

たぴぞう
たぴぞう

危なっかしくない・・・って事ですかね?

『何が』ってのは・・・言い表せませんけど。

所長
所長

そう。

その、『危なっかしくない』って事の根拠について解説したいと思います。

無意識の『動き』を理解する

危険な行動をコントロールする

まず、安全な操作を行うには
安全な操作とは何か?を考える以上に

危険な行動とは何か?

を知っておく必要があります。
そして
その危険な行動を排除さえすれば
残った動き=安全
ということになります。

つまり
危険な行動を知り、コントロールする ということが安全な操作のキモな訳です。

術中、無意識にやりがちな危険な動き とは?

無意識に起こる『動き』を理解しておきましょう。

まず、どこかに目印になるような点を作り
下の写真のように
ペンなどの先のとがった細いものを上から5本の指で摘まむように持って下さい。
そしてなにか目印となる点を決めておきます。

このとき
なるべく肘を横にして浮かせるようにしておきます。

点の真上に(くっつけないで)ペン先を持って行き
動かさない意識を持って
目を閉じて好きな曲を10秒間口ずさんでみて下さい

目を開けた瞬間
ペン先は、点の真上にありますか??

この実験をしてみると
ほとんどの人はペン先が手前にズレています。

これは何を意味しているかというと

  1. 絶えず手の動きは視覚情報によって修正されている
  2. 修正が起こらないと手前にズレやすい

ということです。

術野から目を離さない の本当の意味

つまり、視覚情報による修正が起こらないと
無意識に手は動いてしまう
ということを認識していた先人たちは
『術野から目を離さない』
ということを意識していたわけです。

この事をもう少し深く掘り下げてみましょう。

目を離すと手前にズレやすい

の意味するところは・・・
結局の所
『屈側に動く』と言うことなのです。

つまり
本来、手や指を静止させるには

屈筋群の力と伸筋群の力が拮抗している

ことが求められるのですが、
人体の機能・構造上、圧倒的に屈筋群の方が優位に出来ているため
通常は
屈側に動くのを視覚的に修正して抑制している のです。

術野から目を離さない というのは 

屈筋の抑制を絶えずかけろ ということでもあるのです。

暴走を抑制するために

屈筋の暴走を抑制することが安全な手術につながる事は理解いただけたでしょうか?

でも
視覚的な抑制以外にも
暴走を抑制する『何か』が必要です。

緊張で手が震えたり
力んだことで動きが大きくなってしまったりした場合
いくら見続けていても、視覚的な抑制は限界があります。

そこで

普段から
屈筋の暴走をコントロール出来る手のポジションを身につけておきましょう

所長
所長

実は

『器械の示指化』を目指す持ち方には

屈筋の暴走を抑制するためのポイントが隠されているのです!

母指IP 90° 屈曲位 を身につけるべき理由

右手の器械の持ち方で何度も出てきた

超重要バンザイポイント
母指 IP関節 90° 屈曲位

もぅ出来るようになりましたか?

超重要バンザイポイント

実は 指をズッポシいれてしまうと屈筋に対する抑制が利きにくくなります

伸筋腱ブレーキ

この写真でも分かるとおり
母指の伸筋腱に緊張を持たせることが出来るので
屈筋の動きを抑制出来る分、大雑把になりがちな屈筋の動きを
細かく微調整しやすくなります。

結果として
親指に『繊細なコントロール』の能力を与えることになります。

小指も使うと効果倍増

所長
所長

さて 母指 IP 90° 屈曲位の有効性が理解できたところで

それを更にパワーアップする方法を伝授しましょう。

母指とそれ以外の指は対立関係にあるので、基本的に動きが同じではありません。
・・・英語でもThumb と Finger であることからも分かりますよね。

手全体の『屈筋に対する制御』を考えた場合
Finger にも母指 IP 90° 屈曲位と同じ効果を与えてやる何かが必要になります。

そこで・・・

カラオケの時を思い出してみましょう。。。

所長
所長

どちらが
若者がシャウトしているマイクの持ち方だと思います??

たぴぞう
たぴぞう

上です!

下は、オッサンがスナックで歌うときの持ち方(笑)

所長
所長

その通り!

下は、バラードや60〜70年代懐メロの持ち方です・・・

この違いは何故生まれるのでしょうか?

実は
手の震えを抑制したり
繊細に指先を使おうとすると
体の力(特に指先)を制御するために
自然と伸筋を使ってコントロールしているものなのです。。。

例えば、100均で買えるような
パチモンのメッチャ崩れやすいジェンガを摘まもうとすると

こんな感じで 示指と母指だけを前に出すようなポジションになりますよね。

これは・・・中指〜小指が邪魔で後ろに引いている
という事かもしれませんが
この結果
全体の伸筋腱を効かせていることになっているのです。

つまり

小指を立てるもしくは後ろに引く(背屈させる)と
指全体の伸筋腱を効かせる効果が生まれるのです。

ささやき型の曲を歌うときの持ち方が
自然と伸筋腱が効いて 力まず歌うことに適しているのが分かりますよね。

暴走が制御されている器械の持ち方

ということで
今日の 超重要バンザイポイント です。

手背の『面』で緊張がかかっているのが分かりますね

この写真の手をみて
示指化された器械のイメージがわきますか??

伸筋腱の緊張の伝わる持ち方で
手術器械を持つと
周りに与える術野の安心感が倍増しますヨ

たぴぞう
たぴぞう

スナックのママとジェンガで練習してきます!!

所長
所長

・・・・・・

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