組織を挫滅せずに縫う運針法|持針器を『回す』の意味

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【BUYSS labo 01/ episode 007】

たぴぞう
たぴぞう

研究生のたぴぞうです。

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所長
所長

器械の示指化 の目的は、繊細な操作をするためですが

組織を挫滅せずに縫うために意識しておくポイントを解説しましょう!

持針器で持っているのは【針】であるということ

当然のことですが、持針器で持っているのは【針】なので、その形状を理解しておくことが必要です。

彎曲の違い

強彎と弱彎

縫合針は当然ながら『丸い』のですが、円の全周にに対してどれだの円周分の長さか
表しているのが、上の図のように ○/▲円針 というものです。

半円のものであれば 1/2円針 と表示され 強彎針 ともいいます。

一方、より直線的な形状の 3/8円針 などは 弱彎針 と呼ばれます。

断面の形状の違い

断面形状の違い
所長
所長

丸針 とか 角針 っていう言葉を聞いたことがありますか??

縫合針は断面の形状によって、その特性が大きく変わります。

図のように【丸針】の断面は、その名の通り『丸』です。
先端部分がとがっていて徐々に太くなっていく構造です。
つまり
一旦先端が刺さったら、あとは、組織を押し広げるように進んでいきます。
裂けやすい組織を縫うときに 丸針 を使うと組織を裂くことなく縫うことが可能になります。
また、針が通った『穴』は、元に戻ろうと収縮するので
穴と糸が密着します。
そのため、縫った穴から血液や腸液が漏れ出る心配が少なくなります。

反面、押し広げているだけなので硬い組織を刺通したり、
分厚くて剛性の高い皮膚を縫うときには、抵抗が大きすぎて上手く運針するのは難しくなります。
(なかにはとてもキレのよいレーザー研磨された丸針もありますが)

一方、【角針】 の断面は、三角形や台形の形をしていて
それぞれの 『角』 が、刃の役割を果たします。
針が通るときに周囲の組織をカットしながら進んでいきます。
そのため、硬い組織や抵抗の大きな組織に針を通すことが可能ですが
反面、脆弱な組織を縫うと容易に裂けてしまいます。
また、針の通った『穴』は、角に「切れ込み」が入った状態になり
縫合糸で力をかけると更に穴が拡大することになります。

特に、創縁に近い部分を通常の角針で縫うと
運針の途中で裂けてしまったり
縫合糸を結紮する際に裂いてしまう可能性があります。

そこで

力のかかる方向の角をなくした構造にしたのが
【逆角針(逆三角針)】 です。

このほかにも、各種用途によって
様々な断面の形状をした針が存在します。
今、自分が使おうとしている針が
どのような特性を持っているのかを把握しておくことはとても重要です。

実際の表記はこうなっています

https://jjebook.meclib.jp/ctg_ethicon_wc_202010/book/#target/page_no=19

エチコンの針カタログからの引用です。

こんな感じで、針については
大きさ、彎曲、断面の形状 などが書かれています。

ちゃんと縫合器械を繊細に操作できるようになると
こういった針のキレの違いや加工の差による抵抗の差を実感出来るようになりますよ。

意識すべきは針が【円の一部】であること

さて

持針器で持っているのが 縫合針 である以上
針は『円の一部』です。

この『円の一部』を最小の抵抗で組織内を通すには
その円の中心を基準とした円運動をさせればよいのです。

図のように
それぞれの円の中心をイメージして
円を描くように動かしてやるのが良い ということです。

『持針器を回すようにして縫いなさい!』

と言われることがあるかもしれませんが、
持針器の軸を中心に回してはいけない ということが理解出来たでしょうか?

常に自分に持っている針の『中心点』をイメージする事で
スムーズな運針が可能になります。

縫合を学ぶ際に
あまりに小さな針・・・例えば顔を縫う時に使う10mm程度の針 を使うと
持針器の軸と針の中心点が近いため
中心点を意識しなくても『ごまかし』が利いてしまいます。
練習をする時には
24〜28mm 程度の大きさの針で
『中心点』をイメージしながら大きく針を回す
という訓練をすることをオススメします。

指尖部でソフトに器械を持つことで
こうした動きも身につけることが出来ます。

がんばって
練習していきましょう!!

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