全層一層縫合の注意点|どこから縫い始めるか?と意識すべきポイント

縫合トレーニング

【BUYSS labo 01 / Episode 018】

所長
所長

突然ですが

下の図のように、それなりのテンションがあって開き気味の創を全層一層で縫合するとき、

皆さんなら『第一打』をどこからどのように始めますか??

どこから縫い始める??
ピッタリ合わせるにはどうしたら良いでしょうか??

真ん中、そして その真ん中・・・

初学者は、先輩や指導医に

『真ん中縫って合わせろ』 と言われるかもしれません。

最初に真ん中を合わせることで、何となく創は小さくなりますし
創縁を寄せた一種の安堵感のようなものが得られるかもしれません。。。
そして、また残りの真ん中にかけていけば
大きくズレることなく創を寄せられるというものです。

しかし、BUYSS labo 01 的には、この方法はオススメできません。

それは、何故か?

最も緊張の強い所を寄せる

真ん中を縫うということは、最も創縁間の距離があるところでもあります。
つまり
最もテンションがかかっている所
でもあるわけです。

大きく空いている部分のため
運針のハンドリングがしやすく、初学者向けかもしれませんが
最もテンションのかかる所を寄せる糸結びでは
かなりの力に対抗することが必要となります。

また
真ん中の1針を縫合すると
その1針で創全体の張力を支えることになるため
縫合部には過度のストレスがかかります。
挫滅の原因にもなりますし
その後、縫合を進めていくと
今度は創全体の張力が減じられたことにより
最初の1針が緩む傾向にあります。

結果として張力に対抗する力や糸結びの締まり具合がバラバラの
美しくない仕上がりになりやすくなります。

更に、真ん中を1針縫った後、
またその真ん中をかけていく・・・場合
毎回毎回
残りの部分の中で『最も開いた部分』を縫う事になるので

張力との戦いの連続

になります。

ですから

少しでも美しい仕上がり かつ 均一のテンションで縫合された創とするには

創の端から縫い寄せていく のが正しいアプローチとなるわけです。

本当に大切なこと

実は
創の端から縫い寄せる・・・以上に
創をきれいに寄せるために気にしなくてはいけない事があります。

所長
所長

この縫い上がりを考えた場合

元の創の状態にした『展開図』を考えてみて下さい

創を縫っている糸は
創に対して直角に走行しているので
このような縫い上がりの
運針の展開図は

こうなるはずです。

創の端 = 向こう側と手前でかなり角度が付いている
創の中央 = 直線に近付く

創の真ん中を縫っていくパターンでは
直線に近い運針で縫い上がりの形を再現できることから
初学者が真ん中法を採用すると
比較的きれいに寄せられるのはこのためです。

しかし
先ほども言ったように
テンションが強い所ばかりを縫っていくことになるため
トータルの仕上がりとしてはイマイチになりがちです。

一方
創の端から縫う場合に
直線的な運針をしてしまうと
Dog ear を作ったり、変に invert した縫い上がりになってしまいます。

ですから、特に気をつけてもらいたいのは

創縁に対して垂直に運針する

ということと

一気にかけるような事はせず
向こう側と手前側 それぞれの角度を変えて(針を持ち直して)運針する

ということです。

所長
所長

創を縫うときは

絶えず『理想の仕上がりの展開図』を意識するようにしましょう!

たぴぞう
たぴぞう

面倒くさいから

一気に『えいやっ!』ってかけちゃダメなんですね〜

所長
所長

ちゃんとハンドリングの練習もしておきましょう!
下のリンクから動画見ておいて下さいね〜

コメント

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