【BUYSS labo 01 / Episode 044】
所長、お帰りなさい❗
もぅどっか行っちゃったのかと思いましたよ・・・
いや〜申し訳ない。。。
へそのシリーズ・・・まだ終わってないですよね？
そうね。
早速、続きを解説していきましょう。
閉じ方よりも もっと大切なこと
前回まで
臍をキレイに再現する方法について色々説明してきましたが、
実は閉じ方よりも もっと重要な事があります。
それは
アプローチの方法
臍ポートを挿入する際
ポートを入れるまでの間に
組織を挫滅してしまうと・・・
挫滅された組織は どんなにキレイに縫っても
キレイな瘢痕にはなりません！
泌尿器科の先生が尿膜管遺残の手術の際
こんな感じで コッヘルで臍窩を反転しようとしているのを見て
ひっくり返りそうになりました！
案の定、臍窩の皮膚は挫滅され びらんにもなり
キレイな臍窩を作るのに難渋しました。。。
見えない部分だから『雑に扱っても良い』という空気がありますが
臍窩を雑に扱うと 美しい臍窩は絶対に再現できません
ポートを挿入するまでの
皮切が最も重要！なのです
皮切はとにかく愛護的に
臍は見えにくいから切りにくい
挫滅された組織はキレイに治らない ということは
愛護的に扱われた組織は キレイに治せる という事でもあります
では
臍の皮切を愛護的に行うにはどうすれば良いでしょうか？
コッヘルで臍窩を反転させたくなる理由を考えると
- 臍窩の底が見えなくて切りにくいから
- 底部が癒着している可能性があるから
- 腸管損傷の可能性を無くすために底部を牽引したい
- 緩い皮膚は切りにくいのでトラクションをかけたい
といったところでしょうか。
これらの問題を解決しつつ愛護的に皮切をするために
スキンフック を使いましょう
皮切部を牽引しつつ 底部を引き出してくるようなイメージで使うと
キレイに皮切を加えられますよ
常に可視下で操作する
コッヘルで臍窩を反転したことがある人はわかると思いますが
臍は力をかけて引っ張ると
意外と外に出てきます・・・
そこで
一気に反転しようとするのではなく
まず
臍窩の外周に近い部分から少しずつ切り進めて行き
順次牽引して反転していくようにするとキレイに切開を加えることができます。
No.15 メスなどで
周堤に近い部分に小切開を加えます
その切開部分に
スキンフックや小さな二爪鈎等を挿入し
皮膚を挫滅しないように引き出しつつ頭側に牽引します。
このような牽引をしつつ尾側へ向けて切り進めて行けば
緩い臍窩の皮膚に緊張を持たせつつ切開を進めていけます。
最初の皮切は体表に近い部分に入れるため
牽引をしっかりかけていけば
癒着があったとしても
目視しながら切開を進められます
スキンフックなど無い！
という場合は
ガッツリ摘まむことはせず
鈎ピンの先をフックのように使い
極力創縁を挫滅しないように牽引してみて下さい
解説動画
とにかく
臍窩の皮膚の扱いは愛護的にしましょう！
形成外科医がキズをキレイに仕上げられるのは
『キレイに仕上げるための皮切をしている』
からなんですよね。。。
所長がよく言ってる
『閉創依頼してくるなら皮切もやらせろ！』
ってヤツですよね！！
『やらせろ！』では無い・・・
『やらせていただけませんか？？』 デス！！
コメント